【シンガポール・リート】REITの種類とメリット、おすすめの選び方について

シンガポールで投資を始める際に、有力な候補となるのがシンガポールの不動産投資信託、シンガポール・リート(Singapre REIT)ではないでしょうか。

現在の世界的な株式や債券の下落相場の中、私も投資をするにあたって色々検討したいと思いました。

シンガポールリートの種類やメリットについて、調査した結果を当記事にまとめたいと思います。

シンガポール・リートの種類

シンガポール・リートと一口にいっても様々な種類があります。まずは、シンガポールリートの種類について概要をまとめたいと思います。

産業用施設 (Industrial REIT)

産業用施設リートは、工場、産業用建物、物流施設、データセンターからなるリートです。

コロナパンデミックの状況下でもe-コマースの活況からデータセンターや物流施設への需要は高止まり、施設の稼働率は維持されています。

今後ますますデジタル社会が発展し、データセンターや物流施設の需要が高まっていくことを考えると、Industrial REITへの見通しは明るいと考えられます。

シンガポール・産業施設REITの代表的な銘柄として、以下が挙げられます。

CapitaLand Ascendas REIT (SGX: A17U)
Mapletree Logistics Trust (SGX: M44U)
Keppel DC REIT (SGX: AJBU)
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商業用施設 (Comercial REIT)

商業用施設リートは、主にオフィスビルからなるリートです。

シンガポールでは、ビジネス中心地のCBDエリアのオフィスビルなどが該当します。

コロナによりリモートワークが主流となり、オフィスビルの稼働率は上昇しているとは言えません。また、アフターコロナでも企業はリモートワークとのハイブリッドの就業形態に移行すると予想されるため、引き続き稼働率の上昇は見込めないかもしれません

シンガポール・商業用施設の代表的な銘柄として、以下が挙げられます。

Elite Commercial REIT (SGX: MXNU)
Manulife US REIT (SGX: BTOU)
OUE Commercial REIT (SGX: TSOU)
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小売施設 (Retail REIT)

小売施設リートは、主にショッピングセンターやモールから構成されるリートです。

小売施設は景気に左右されがちですが、食料など、生活必需品を提供するショッピングセンターや人流の多い郊外のエリアに位置するモールは、景気サイクルに対して堅調な需要があると考えられます。

シンガポール・小売施設の代表的な銘柄として、以下が挙げられます。

Frasers Centre point Trust (SGX: J69U)
Retail outlet property owner Sasseur REIT (SGX: CRPU)
United Hampshire US REIT (SGX: ODBU)

ヘルスケア施設 (Healthcare REIT)

ヘルスケア施設リートは、主に病院やクリニック、介護施設からなるリートです。

医療機関や介護施設も、不景気だからといって需要がなくなるわけではなく、ヘルスケア施設リートも景気動向に関係なく一定の需要があります。少子高齢化が問題となっているシンガポールでは引き続き有望かもしれません。

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シンガポール・ヘルスケア施設リートの代表的な銘柄として、以下が挙げられます。

Parkway Life REIT (SGX: C2PU)
First REIT (SGX: AW9U)
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ホスピタリティ施設 (Hospitality REIT)

ホスピタリティ施設リートは、主にホテルやサービスアパートメントからなるリートです。

ホスピタリティ施設は観光需要に大きく左右されるため、コロナ下のような観光需要が消滅した状況で厳しいパフォーマンスとなりそうです。一方、アフターコロナで旅行需要が回復すれば保有物件の稼働率も上昇し、好パフォーマンスが期待できそうです。

Ascott Residence Trust (SGX: HMN)
CDL Hospitality Trusts (SGX: J85)
Frasers Hospitality Trust (SGX:ACV)

その他のリート

上記以外でも、シンガポール・リートには特定のテーマに特化したリートが数多く存在します。ここでは、うちいくつかについて紹介したいと思います。

○将来性が期待できるインドのデータセンターへの投資

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○高配当利回りが期待できる米国オフィス施設への投資

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シンガポール・リートのメリット

次に、シンガポール・リートの魅力について検討したいと思います。主なメリットとして、以下の4つが考えられるのではないでしょうか。

高い利回り

シンガポールリートの最大の魅力はその高配当利回りであると言えます。株式であれば1〜3%の年間利回り一般的で、高配当株式といわれる銘柄で4〜5%でしょうか。

一方、シンガポールリートは5%以上の高利回り銘柄が多く、相場が不調な当記事執筆時現在では、平均利回りが6%となっています。

この高利回りの理由の1つとして、シンガポール・リートは運用会社が税務上の優遇措置を得るために、収益の90%を分配金として配当することが定められていることに拠ります。

以下のサイトで、シンガポールリートの利回りを比較することができます。

S-REIT Data

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投資価値のボラティリティの低さ

もう一つのシンガポール・リートの魅力として、ボラティリティ(変動)の低さが挙げられます。

リートの収益は、賃貸収入という、ある程度長期で一定額の収入が見込める性質のものです。そのため、株式投資の配当(これは企業業績によって左右される)よりも安定的な収益が期待できます。

理論的には、株価は投資がもたらす(将来)利益を投資家の期待収益率で割り引いた値として算定されるため、利益たる収入が一定であれば、株価の変動は低く抑えられます。

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シンガポールリートは非課税

シンガポールでは、投資の売却益(キャピタル・ゲイン)が非課税です。そのため、シンガポール居住者である投資家は、リートを売却した際のキャピタル・ゲインに課税されません。

また、投資からの配当金に対しても非課税です。なお、シンガポール居住者が日本株の配当を得た場合、日本の税制に従い15.315%が源泉徴収され、米国株の場合は30%が源泉徴収されます。税引き後のパフォーマンスまで考えると、シンガポールリートは魅力的な投資対象といえそうです。

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シンガポールの安定性

リートは、不動産という物理的な資産に投資するため、建物等の毀損や劣化がある場合投資価値が減少してしまいます。ところが、シンガポールは地震や台風などの自然災害がほぼなく環境問題についても最先端の対策を講じています。

また、政治的にも安定しており、他国に比べて紛争が起きるリスクも低いと考えられます。そのため、シンガポールの不動産を中心に投資しているシンガポール・リートであれば、自然災害等の偶発的な事象によりリート価値が影響を受けるリスクが低いといえます。

シンガポール・リートのリスク

一方で、シンガポール・リートのリスクについても考えてみたいと思います。どんな投資商品にもリスクはつきものですので、慎重に検討する必要があります。

不動産市場の相場リスク

リートは、不動産という単一セグメントに特化した投資商品です。不動産の賃貸や売買の市場が落ち込んだ場合は、賃貸収入の下落や保有する不動産価値の下落により、リート投資価値や分配金が減少するリスクがあります。

金利リスク

リートは、物件取得にあたって外部資本(借入)を行って資金調達します。金利が上昇すると借入金の利息が増加し、リート投資価値や分配金が減少するリスクがあります。

天変地異のリスク

シンガポールリートのところでメリットとして記載した、「シンガポールの安定性」と少し矛盾しますが、シンガポールは天災の少ない国ではあるものの、それでも不動産という物理的施設が何らかのダメージを受けるリスクはあります。また、シンガポールリートの多くは、オーストラリアや米国、ヨーロッパなどシンガポール国外の物件にも投資しています。リート選定にあたっては、どの国の不動産に投資しているかを把握する必要があります。

運用会社のリスク

シンガポールリートは、通常の会社同様、上場廃止や倒産をするリスクがあります。この場合、投資を継続することは困難となるリスクがあります。コンプライアンスのしっかりした、実績のある運用会社であることを確認する必要があるかと思います。

為替リスク

これはリートに限ったリスクではないですが、シンガポールドル建てのリートであれば、対円での為替変動リスクがあります。ただし、円以外の投資商品を保有することで、円安に対するヘッジとして機能するというメリットもあります。

規制・制度変更のリスク

現状ではシンガポールリートに高利回りをもたらしている優遇制度や税制が変更するリスクがあります。ただし、金融立国といえるシンガポールでは、投資家に大きく不利となるような制度変更は可能性としては低いかもしれません。

シンガポール・リートを選ぶ際のポイント

シンガポール・リートが魅力的だとしても、シンガポールで上場しているリートは数十種類にのぼります。投資予算に限りがある投資家としては、その中から特に魅力的な銘柄を探さなければなりません。以下は、シンガポールリートを選定する上で重要となる検討事項といえそうです。

物件のポートフォリオ

シンガポールリートを選ぶ際に最も重要な要素が、不動産ポートフォリオです。リートの収益はテナントからもたらされる賃貸収入であり、高収益、好立地の物件を多く保有しているリートはテナントと好条件で契約を締結し高い利回りを上げることができます。

スポンサー

シンガポールリートを選ぶ際のポイントとして、スポンサーを確認する必要があります。スポンサーとは、不動産投資法人の資産を運用する会社(資産運用会社)の大株主のことで、投資する不動産候補を紹介し、健全な財務基盤をもたらします。

シンガポールの著名なスポンサーには、アジア最大規模の不動産会社であるCapitaLandFrasers Propertyなどがあります。

一口当たり分配金(DPU)

リート投資の主要な目的は、インカムゲイン=配当です。そのためリートの選定にあたっては、継続的に配当を行っているかが重要になります。

特に、継続的に一口あたり分配金が増加しているリートは魅力的であると言えます。

配当利回り(Dividend yield:%)から、投資額に対する分配金の収益性を確認することができます。

テナントの状況

不動産の賃借人であるテナントも重要な検討事項になります。リートの収益は結局のところ、テナントの支払う賃料に依存します。

そのため、財務の健全な規模の大きい著名なテナントだ得ることが望ましいといえ、理想は様々なセクターに分散された多様なテナントを有するリートが有利です。

ギアリング比率

リートのギアリング比率とは、「リートの負債/ リート資産」の比率であり、リート資産の取得に対する外部負債の割合を表すものです。

シンガポールでは金融庁(MAS)によりギアリング比率を最大50%と規制されていますが、多くのリートが30%〜40%を維持しており、良質な新規物件を獲得する際のバッファーをもたせています。

ギアリング比率が高い場合は、積極的に投資を行っていると考えられる一方、負債の支払利息負担が増えるため収益性が低下するおそれがあるといえます。

財務コスト

リートの財務コストは主に物件取得の借入金に対する支払利息です。高い財務コストはリートの収益性が低下します。

財務コストについてはインテレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)で確認することができます。ICRとは、「収益/支払利息」で算定することができ、数値が高いほど財務コストが低く安全性が高いことを示します。

株価純資産倍率 (PBR)

株価純資産倍率(Price Book-value Ratio: PBR)は、REIT株価(一口当たり投資額)を一口当たりの純資産価値(Net Asset Value: NAV)で割った値です。

PBRが1より大きい場合は、REITが純資産額に比べて大きく評価されている一方、1を下回る場合は評価が低いことを示します。

ただし、PBRが1より低いから単純に割安と捉えることはできず、魅力的なREITは純資産より株価が高く評価されPBRが高くなることもあります。他の要素と総合的に判断する必要があります。

成長戦略

最後に、リートの分配金(DPU)が増加するような成長戦略を描けているか検討する必要があります。

リートの主な成長戦略は、取得、賃料更改、資産価値向上の3つがあると考えます。

取得

取得(Acquisition)戦略は、その名の通り新規物件の取得によりリートポートフォリオを増加させる戦略です。

物件が増えることで賃貸収入は増加しますが、物件取得のファイナンス手法次第では財務コストも増加するため、配当利回りが低下するリスクもあります。

そのため投資家は、リートの過去の取得実績をレビューし、取得後にDPUが増加しているか確認する必要があります。

賃料更改

リートのもう一つの成長戦略として、賃料の値上げが考えられます。

賃料更改では新規物件取得のためのファイナンスが不要であるため、リートの収益性は向上しますが、もちろんテナントが賃料更改に応じる状況である必要があります。

資産価値向上

リートの3つ目の成長戦略は資産価値向上(Asset Enhancement Initiative: AEI)です。

これは不動産のリノベーションなど、物件の価値を向上させる戦略です。既存物件の魅力を向上させることで賃貸料料を上昇させることや、賃貸スペースを広げることで追加的な賃貸料を得ることができます。

さいごに

安定的なインカム・ゲインを狙うなら、5%程度の高配当をもたらすシンガポールリートは魅力的な投資商品になりそうです。

ただし、投資には原本割れのリスクもあり、市況や金利相場などコントロールできない要素に大きく影響を受けてしまいます。

じっくり考えて投資するか検討することが重要そうです。

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