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2021年度「エリートの質」指数はシンガポールが世界1位。日本は?

スイスのセントガレン大学が公表した調査レポート「エリートの質指数(Elite Quality Index 2021)」を公表、シンガポールが世界1位と評価されました。

当記事では、2021年度の「エリートの質指数(Elite Quality Index)」について解説したいと思います。

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「エリートの質指数」(Elite Quality Index)とは

エリートの質指数」は、各国のエリート層が国の経済及び社会の成長に貢献しているかを評価する指標です。

この指標における「エリート」は、以下のように定義されています。

Elites are an empirical inevitability, dominating all political economies. They provide the necessary coordination capacity for an economy’s resources, whether human, financial or knowledge-based.

(エリートとは、実地経験的な必然的存在で、政治経済を支配するものである。エリートは人材、財務、知識などの経済資源について不可欠な調整を提供する。)

上記のエリートの定義は少し抽象的でわかりづらく、レポートにも具体的な明記がないのですが、国家資源を差配する政治家・官僚や経済的資源の調整・拡大に貢献する大企業や銀行、投資ファンドなどのマネジメント、人的資源の雇用を拡大する起業家などが含まれると考えられます。

エリートの質指数」 は、151ヶ国を対象に実施していますが、4つのカテゴリーと、その各カテゴリ―における107の評価項目により構成されます。

4つのカテゴリ―

1.Political Power(政治的影響力)
2.Economic Power(経済的影響力)
3.Political Value(政治的価値)
4.Economic Value(経済的価値)
(Source: Elite Quality Report 2021)

2021年度のトップ20は以下の表のとおりであり、1位がシンガポール、それにスイス、英国、オランダ、米国と続き、日本は17位となっています。

(Source: Elite Quality Report 2021)

「エリートの質指数」はシンガポールが世界1位。

シンガポールは2020年度に引き続き、2年連続で世界1位となりました。

以下がシンガポールの評価シートになります。

(Source: Elite Quality Report 2021)

調査に協力した、シンガポール経営大学は、レポートの中で、以下の趣旨のコメントをしています。

「この結果の大部分は、自由貿易やビジネスへの開放性、海外直接投資などEconomic Value(経済的価値)にもたらされるところが大きい。また、シンガポールは、ベンチャーキャピタル投資や企業家という観点でもトップにランクしている。シンガポールの強力な関係機関、安定した政治や低い汚職率は、シンガポールに社会的、経済的な利益をもたらしており、それが政府の質、変化への政府の対応などの項目に反映されている。」

「エリートの質指数」、日本は?

日本の「エリートの質指数」はどうでしょうか。以下が評価シートです。

(Source: Elite Quality Report 2021)

日本の評価シートを見ると、Firm dominanceが57位、Creative Destructionが46位と足を引っ張っています。

Firm dominanceとは、1つの事業会社が経済に与える影響、Creative Destructionは、新しい企業が時代遅れの企業と入れ替わる割合を表します。

日本の、大企業を保護する傾向にあり、ベンチャー企業が育ちにくいという状況を表しているのではないでしょうか。

さいごに

本レポートでは、「エリートの質指数」が高い国、たとえばシンガポールやスイス、スウェーデン、ニュージーランドなどでは、コロナパンデミックにうまく対処できている国が多い点を指摘しています。

エリートのリーダーシップが国際関係における政治的な影響力を高め、経済的成長の原動力となるのは間違いありません。

日本もさらなる上位をめざして評価の低い項目を改善する必要があるのではないでしょうか。

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