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【シンガポール・フィンテック】2020年〜2021年のウェルステック事情。

シンガポールは富裕層が多いこともあり、ウェルステックのスタートアップ企業が多く出てきています。

ウェルステック

IT技術を活用した資産運用・資産管理サービス。金融におけるIT技術融合の代表的な分野。

今回は、Fintech Singaporeの記事を参考に、シンガポールにおけるウェルステック事情について解説したいと思います。

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シンガポールにおけるウェルステック業界

シンガポールでは、政府によるフィンテック・ベンチャーのサポートもあり、多くのウェルステック企業が成長してきています。

例えば2020年度では、東南アジアにおけるシェアライド・アプリの雄であるGrabが、B2B向けロボットアドバイザリーサービスのBentoを買収、GrabInvestと名称変更して、小口の投資運用サービス(AutoInvest)提供を開始したことが話題となりました。

AutoInvestでは、主要投資ファンドであるFullerton Fund ManagementやUOB Asset Managementの運用するファンドに1シンガポールドルから投資することができます。

フィンテック規制の緩和も追い風となっています。

2020年1月には、フィンテック企業にとって最も影響のある「決済サービス法(Payment Service Act)」が施行され、決済サービスにおける規制が明確となりました。

これを受け、暗号資産ビジネス関係を含む、ますます多くのフィンテック企業のシンガポール進出をめざすと期待されています。

また、シンガポールにおけるメガバンクの一角であるDBS銀行は、仮想通貨を含む暗号資産の取引サービスを開始することを発表しています。このサービスでは、トークン化、トレーディング、資産管理などを提供します。

シンガポールの主なウェルステック・ベンチャー

ウェルステック企業の世界ランキングを公表している WelthTech 100 において、2020年度版ではシンガポールから3社がランクインしています。

 

360Fは、投資アドバイスに関するアプリケーションを提供する企業。

主力商品の「360-ProVestment」は、AI技術を利用して生命保険商品や財産管理に関する商品の選定、推奨を得ることができます。

Kristal.aiは、AI技術を利用して、個々の投資家ごとの投資ポートフォリオの最適化やグローバル投資戦略を立案するプラットフォームを提供します。

Tredosocioは、FX市場における情報とビジネス機会を提供するクラウドベースのプラットフォームを提供します。

ウェルステックベンチャーの競争の激化

DBS銀行など大手の金融機関がロボ・アドバイザリーに参入してきていることもあり、シンガポールにおけるウェルステック業界の競争は、日を追うごとに激化しています。

2015年設立のロボアドバイザリー・プラットフォームのSmartlyが事業を廃止するなど、大手企業の参入でビジネスが成り立たなくなるケースも出てきているとのこと。

それでも調査会社Statistaの予測では、シンガポールにおける2020年度の運用資産残高(Asset Under Management)は10億USドルであり、今後年率25%で成長、2024年には26億USDと現在の2倍以上の市場になることを見込んでいます。

さいごに

数年後には、だれもが気軽にウェルステックを利用して資産管理・運用を行う時代が来るのでしょう。

いずれのプラットフォームが業界標準を握ることになるか、注目していきたいと思います。

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