シンガポールは、シンガポールの企業に対して補助金や融資など様々な支援を提供しています。
企業に対する補助金や融資は「エンタープライズ・シンガポール」が管轄しています。
エンタープライズ・シンガポール(Enterprise Singapore)は、2018年にシンガポール国際企業庁とSPRING(規格・生産性・革新支援機関)が合併して設立された、企業発展の支援機関。補助金(Grant)、政府融資(Loan)、Tax Incentive(税務優遇制度)の許認可などを取り扱っている。
今回は、スタートアップ企業及びローカル企業(シンガポールで設立された会社)向けの融資制度(Loan)について紹介したいと思います。
シンガポールは、スタートアップ・中小企業に対して補助金や融資など様々な支援を提供しています。 企業に対する補助金や融資は「エンタープライズ・シンガポール」が管轄しています。 エンタープライズ・シンガポール(Enterprise[…]
1.中小企業向け運転資金ローン(SME Working Capital )
中小企業向け運転資金ローン(SME Working Capital )は、中小企業の運転資金ニーズに応える融資です。
返済期限:5年
金利:民間金融事業機構(Private Finance Initiative : PFI)の評価による
主な融資要件:
1.シンガポールで登記され、物理的に存在する事業体
2.シンガポール人および/または永住権者(PR)が30%資本保有
3.グループの年間売上高は5億シンガポールドル以下
4.SMEの定義は、最大1億シンガポールドルのグループ収益または200人の従業員の最大雇用
2.中小企業向け設備投資ローン
中小企業向け設備投資ローン (SME Fixed Assets)は、国内・海外の設備投資に対する融資です。自動化、アップグレードのための機械購入や商業用工場・建物取得などが対象となります。
返済期限:15年
利率:民間金融事業機構(PFI)の評価による
主な融資要件:
1.シンガポールで登記され、物理的に存在する事業体
2.シンガポール人および/または永住権者(PR)が30%資本保有
3.グループの年間売上高は5億シンガポールドル以下
4.SMEの定義は、最大1億シンガポールドルのグループ収益または200人の従業員の最大雇用
3.ベンチャー企業向けローン
ベンチャー企業向けローン(Loan Venture Debt Loan)は、銀行借入の担保となるような資産を有さない、成長潜在力のあるベンチャー企業向けの融資です。事業の拡大や製品ラインナップの拡張、M&Aなどを目的に融資を受けることができます
返済期限:5年
利率:民間金融事業機構(PFI)の評価による
主な融資要件:
1.シンガポールで登記され、物理的に存在する事業体
2.シンガポール人および/または永住権者(PR)が30%資本保有
3.グループの年間売上高は5億シンガポールドル以下
4.貿易関連ローン
貿易関連ローン(Trade Loan)は、在庫担保融資、債権担保融資(ファクタリング)、海外運転資金ローン、銀行保証などのニーズに応える融資です。
返済期限:1年
利率:民間金融事業機構(PFI)の評価による
主な融資要件:
1.シンガポールで登記され、物理的に存在する事業体
2.シンガポール人および/または永住権者(PR)が30%資本保有
3.グループの年間売上高は5億シンガポールドル以下
5.海外プロジェクト向けローン
海外プロジェクト向けローン(Project Loan)は、海外プロジェクト遂行のための融資を目的とするものです。海外プロジェクトの運転資金、工場、建物当の購入資金、設備投資などに利用することができます。
返済期限:15年(設備投資)、5年(運転資本)
利率:民間金融事業機構(PFI)の評価による
主な融資要件:
1.シンガポールで登記され、物理的に存在する事業体
2.シンガポール人および/または永住権者(PR)が30%資本保有
3.グループの年間売上高は5億シンガポールドル以下
6.M&A向けローン
M&A向けローン(Mergers & Acquisitions Loan)は、国際化を目的とした国内・海外企業の買収に資金を提供するものです。
返済期限:5年
利率:民間金融事業機構(PFI)の評価による
主な融資要件:
1.シンガポールで登記され、物理的に存在する事業体
2.シンガポール人および/または永住権者(PR)が30%資本保有
3.グループの年間売上高は5億シンガポールドル以下
7.一時つなぎ融資
一時つなぎ融資 (Temporary Bridging Loan Programme)は、一時的な運転資金ニーズに応える融資です。
返済期限:5年
利率:年利5%が上限
主な融資要件:
1.シンガポールで登記され、物理的に存在する事業体
2.シンガポール人および/または永住権者(PR)が30%資本保有
さいごに
企業経営において、キャッシュフローは生命線となります。
基本的には30%のローカル資本が入っている場合のみ該当し、該当する日系企業は限られてるかと思いますが、利用可能な制度については、うまく利用していくことをおすすめします。
なお、当記事で紹介した補助金は、執筆時現在の情報になります。最新の情報については、Enterprise SingaporeのHPをご参照ください。
当該情報は執筆時現在に公表されている法令・ガイドライン等を参照しています。本記事に記載された制度は、法令・条例・通達・税制の変更・改正等により、改廃が行われている可能性があります。従いまして、特定の目的利用及び専門的な判断にあたっては、会計・監査・法務・税務・労務等の専門家にご相談頂くようお願いいたします。本資料に基づいた行為(不行為)につき、一切の責任を負いません。
シンガポールでは、東南アジア地域の統括拠点を誘致するため、税制をはじめとした各種インセンティブ制度を導入しています。 今回は、シンガポールではどのような地域統括会社の優遇税制・インセンティブを導入しているか紹介していきたいと思います。 […]