シンガポールで注目のスタートアップ企業を紹介する企画です。
今回は、使い捨て可能な生分解プラスチックを開発する「RWDC Industries」。
2020年5月には、アメリカ、スイス等の投資家より1億3,300万ドルの資金調達をしています。
RWDC Industriesの企業概要、ビジネスモデル、成長ポイントについて見ていきたいと思います。
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RWDC Industriesとは?
RWDCは、2015年に、Roland Wee氏、Daniel Carraway氏が設立したバイオプラスチックを開発する企業です。
バイオプラステイックとは、PHAと呼ばれる植物由来の油や糖類を微生物発酵させることで生成可能な生分解性バイオプラスチックです。
RWDCは、独自のPHAである「Solon」というプラスチック製品を開発し、これは土壌や水、海水で完全に、無毒で生分解されます。
RWDC Industriesのビジネスモデル
RWDC Industriesは、研究開発型のバイオベンチャーです。
現状では生分解プラスチックの「Solon」が主な製品です。
外食産業で利用される、ストローやコーヒーカップ、食品容器などが、まず商業的に成功しそうな分野です。
RWDC Industriesの価格モデル
RWDC Industriesの価格モデルは不明ですが、おそらく通常の製造販売モデルかと思います。
つまり、工場で製品を製造し、得意先に販売するシンプルなモデルです。
RWDC Industriesの成長ポイント
CasaMiaが急成長している理由は、次の3つが考えられるのではないかと思います。
1.SDGsな時代に適応
生分解プラスチックは、従来の石油から製造されるプラスチックに比べて環境負荷が小さいです。
環境問題、SDGs(持続可能な開発目標)が叫ばれる昨今において、まさしく求められる製品・技術だと思います。
2.大手企業と製品供給の契約
2021年に入り、米国の大手日用品メーカー・キンバリークラークと共同開発契約を締結しています。
大手企業との提携は大きな需要が見込めるため、製品開発に成功すれば、飛躍が期待できます。
3.認証機関から認定
RWDC Industriesのプラスチック製品「Solon」は、オーストラリア認定機関TUVから、生分解性に関して認証を取得しています。
認定では、生分解性と堆肥化可能性がにんていされており、利用済の「Solon」プラスチックは特別な施設なしに自然環境で分解できるとのことです。
RWDC Industriesに関する主なニュース
2020年5月:アメリカ化学品大手やスイス年金ファンドより1億3,300万ドルを資金調達
2021年6月:キンバリー・クラークと製品開発契約を締結