スイスの有名ビジネススクールIMD及びシンガポール技術デザイン大学(SUTD)が調査報告書「Smart City Index Report(世界のスマート都市ランキング)」を公表、昨年に引き続きシンガポールが「トリプルA」を取得し、世界のトップに立ちました。
最高格付けの「AAA」を取得したのはシンガポールのみ。2位以下はチューリッヒ、オスロと北欧諸国が続きます。
スマート都市ランキング2020の概要
IMD及びSUTDにより実施されたこの調査は、4月〜5月の期間において109の都市を調査。経済及びテクノロジーに関するデータが考慮され、「健康と安全」「モビリティ」「アクティビティ」「機会」「ガバナンス」の5つの領域で評価されます。
特に2020年度は、コロナの影響があり、いかにスマートシティのテクノロジーがコロナ対策において重要な役割を果たしているか浮き彫りになっています。調査を担当したIMDのディレクターであるArturo Bris教授によれば、
「テクノロジーをよく使いこなしている都市は、パンデミックをよりよく制御している。」
とし、スマート都市がコロナ・パンデミックの解決策ではないものの、テクノロジーがその手助けをするのは間違いないと説明します。
今回の調査結果から、テクノロジーの活用で市民の生活を改善する目的のために地域の首長や地方当局に権限を与えることが有効であると示唆しています。
スマート都市ランキング−シンガポール
トップ10は以下の通り。
上位陣の顔ぶれは前回とほぼ変わりませんが、New Yorkが大幅に順位を上げてきていますね。
東京、大阪は79、80位。前年の62、63位から大きく順位を落としています。コロナ対策においてテクノロジーをなかなか利用できていないことからも、改善の余地は大きそうです。
シンガポールの評価結果は以下のとおりです。
シンガポールで特に評が高かったのは以下の項目です。
・貧困地域における基本的な公衆衛生
・医療サービスの満足度
・緑地
・文化的施設の充実度
・児童の教育へのアクセス
・生涯教育
・地域行政の情報へのアクセス
・CCDカメラによるセキュリティ
・オンラインによる医療予約
・スマホを通じた渋滞情報の提供
・文化施設のオンライン予約
・職探しにおけるオンラインアクセス
・インターネットスピードと信頼性
・身分証明証のオンライン申請スマート都市ランキング−東京
東京は以下のとおり。
東京で特に評価が低かったのは、以下のような項目です。
・渋滞情報
・緑地
・マイノリティの受け入れ
・スマホによる待機汚染情報
・カーシェアリングアプリの利用による渋滞の緩和
・自転車の利用による渋滞の緩和
・ITスキルの教育
・起業のためのオンライン行政サービス
・オンライン投票
・オンラインによる公共ファイナンス
さいごに
シンガポールは国自体がコンパクトであり、人口もすくないため先端テクノロジーを実装しやすいというアドバンテージがあります。
日本は、シンガポールなどのスマート都市先進国が実装し効果のでているデジタル施策をどんどん取り入れていけばいいのではないでしょうか。
デジタル庁を新設して、本気で国のデジタル化をすすめるところにきています。来年の調査ではその結果がみられるといいですね。
<シンガポールの驚異的発展>競争力ランク世界一位の秘訣について考察
Singapore, Helsinki and Zurich triumph in global smart city index