シンガポールの会計・財務アドバイザリー

公認会計士、税理士など会計資格業者も目指す人も。今後資格で生きていくための4つの戦略。

ご存知のとおり、会計・税務の領域は資格がたくさんあります。

簿記検定からはじまり税理士、公認会計士などメジャー国家資格、それ以外でも財務報告実務検定、 国際会計検定、USPA、米国公認管理会計士 、、、

会計系の資格を1つくらいは持っているというビジネスマンは少なくないのではないでしょうか。

資格というのは、ある技能における一定の水準を満たした場合に試験を通過することで付与されるもので、プロフェッショナルとして最低基準を満たしていることを証明できることから、技能習熟という観点から非常に便利であり、多くの企業で取得が推奨、または業種によっては必須とされています。

会計経理職に携わる仕事人は通常なんらかしらの会計系資格を有しており、中には多くの資格を取得する資格マニアのような人種も登場してきます。

そこで今回は、なぜ、かくも資格は会計人材を惹き付けるのかについて分析し、今後キャリア戦略の中で資格を取得するというアプローチはありなのか、考察してみたいと思います。

資格をとるメリットはこの5つ

たくさんの時間をかけ、苦労のすえに取得することができる資格。この資格にはどんなメリットがあるのでしょうか。

1.実務において勉強したことが役に立つ


これが純粋に資格の素晴らしいところ。会計系資格は全て非常に実務的なので、学んだことはすぐに実戦で生かせます

担当業務に該当する資格があれば、その勉強を通じ業務を体系的に理解することができます。その上で資格で得た知識で仕事を効率的にこなし、浮いた時間でさらに勉強をすすめることでプラスのスパイラルに入ることができます。

2.資格で箔をつける

会計系資格のうち、公認会計士や税理士などは名刺に記載することになります。この場合、名刺にその資格の肩書があれば、ひとまずその分野については信用し、話を聞いてくれます。このような箔付けも資格の重要な機能であり、取得する動機の一つではないでしょうか。

3.資格を合格する達成感

資格合格は一夜にしてならず。

コツコツ毎日積み上げていって、やっと受かるものです。これはマラソンにも似ていて、資格の勉強が軌道に乗ってくるとランナーズハイのような快感物質を放出します。

そして、合格した暁の達成感は相当なエクスタシーです。複数の資格を次々に目指す会計人材には、このエクスタシーにハマってしまってる人もいるのではないでしょうか。

4.資格でちやほやされる

資格を取ることで親や友人に褒められたり、ちやほやされた経験がある人も多いのではないでしょうか。特に、資格に限らず難関大学合格などでも同様のことが起きます。一度、人からちやほやされる快感を覚えると、またほめられたい!と思うのが人間というもの。

5.資格に関係する知識や業務が純粋に好き

これが一番ピュアな理由ですね。

資格で学ぶ対象が自分の興味にあっている場合、資格の勉強は趣味みたいなものになるし、吸収力も違ってきます。

そもそもあらゆる学問は非常に奥ゆかしいものだし、特に資格の勉強は実務に直結するため、面白くてハマりやすいものが多いです。

資格の将来性は?

そんな、いい事尽くしの資格ですが、今後将来性はあるのでしょうか。

そもそも試験とは、客観的なマルバツの基準がないと評価できません。

資格試験も同様、外形的に評価され、基準以上の得点を取った者が士(サムライ)の身分を得ています。そういう意味で、資格業というのは非常に数値的、係数的です。

ところが、ということは今話題のAIやIT関連と相性が良くなっています。

回答は一定の決まった数値、模範回答に従って進めていけば良いわけですから、過去の膨大な実績データを有するAIには敵いません。

そもそも資格化できるものはシステム化できるものであり、簡単に機械にリプレイスされるリスクがあると言えそうです。

こちらの<書評> 『プロフェッショナルの未来』専門家が生き残るための現状把握と未来戦略のための処方箋。でも紹介しましたが、資格を取得して知識を保有しているだけの専門家は淘汰されていくため、今後かなり厳しい状況になると考えられます。

今後、資格を生かして働くために必要な心構え。

それでもやっぱり資格業で頑張りたい!という会計経理職の人財はどうすれば良いか考えてみましょう。

. 一つの資格を突き詰めて、その道のプロ、いや仙人クラスになる!

会計人材系の資格は、会計、税務などあらゆる企業に必要なファンダメンタルなものであり、様々な業界、企業において需要があります。

そのため、その分野で最上位の専門家になれれば十分勝負していけるとも考えられます。ただし、一つの資格分野で勝負するなら、野球ならイチロークラス、ビジネスならアマゾンのジェフベソスレベルでなければならないでしょう。

ただし、歴史を見ると時代遅れとなった職業は消滅していくことに留意が必要です。

例えば、電話の広域ネットワークを取り次ぐ「電話交換手」や、「馬車の運転手」などは、100年ほど前までは数多く存在していました。

これらの職業は、電話が広域をカバーできるまで技術進歩した時点、自動車が普及した時点で、職業としては完全に消滅しました。

最近では、つい最近までは花形で高給、憧れの的だった投資銀行のファンドマネジャーやトレーダーもAIによる自動取引が発達したっ結果、消滅の危機に瀕していると聞きます。

投資銀行界のトップであるゴールドマン・サックス証券でも、2000年には600人いたニューヨーク株式取引部門の社員が、2018年度の時点で既に2人!まで減少しているとのことです。ニューズウィーク

AIの本格的導入はこれから。まだまだ、さらなる人員の削減もあるのでしょう。 

投資の世界でも

「卵を同じカゴに盛るな」

という鉄則があります。

一つの資格領域で勝負するのは非常にリスキーと言わざるを得ません。

2.複数の資格で勝負する!

一つがダメなら、二つで勝負。

これなら少しはリスクを減らせそうです。また、

「100人に1人のスキルを2つ掛け合わせることで1万人に1人の人財になるべし!」

と、最近良く引き合いに出される「1万人に一人の法則」にもかないます。

この際に、独自性をさらに高めるためには、近接する資格領域よりかなるべく離れた分野で勝負した方が有利でしょう。

『会計X法律』

みたいな組み合わせは両分野の親和性が高いため有利そうに見えますが、みんな思いつくことでライバルも多くなるため、あまり有効ではないかもしれません。

それよりも、たとえば

『会計資格Xカラーコーディネーター資格』

みたいな組み合わせで、プレゼン資料がメチャメチャ見やすくコミュニケーション能力が高い会計士、のような組み合わせのほうが意外性あり差別化もできるため有効です。

3.なるべくかけ離れたもので個性をだす!

いやむしろ、もう資格にこだわる必要すらないでしょう。

『士業 ✕ さかなクン並みに魚にくわしい』

とか、

『士業 ✕ お掃除マニア』

とかなんでも良いですね。さかなクンなみに魚に詳しければ、そちらの業界方面の専門家として引っ張りだこでしょうし、漁業に関するコンサルとして身を立てることができそうです。

お掃除マニアであれば、家事代行サービスを起業しちゃうなんてこともできるかもしれません。つまりは個性の時代です。

4.自分で資格を作る!

最後に裏技としては、現状存在しない資格を自分で作ってしまうという方法。

今の世の中、GAFAの例を取るまでもなく、プラットフォームを持っているものが強いです。

世の中にはまだない知識体系だけど、今後需要がありそうと見込めるものがあれば、資格を作ってしまうのも一手。

手続きの流れはそんなに難しくはなく、1.協会の設立、2.目的定款等を決める、3.資格講座を作る、4.検定試験を作る です。難しくないですね。

さいごに

さて、資格を活用するキャリア戦略について考察してみました。

好きこそものの上手なれ。

やっぱり自分が好きな領域を極めていくのがキャリア戦略の王道でもありますね。

今後はAIに代替されないよう、資格を活かしながらも個性と人間味のあるプロフェッショナルが求められることでしょう。

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