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【シンガポール・フィンテック】2021年度デジタル決済の現状は?もう現金はいらない?

ACCUITYがデジタル決済に関するレポート「IS THIS REALLY GOODBY TO CASH?」を公表、デジタル決済の現状及び今後について概説されています。

ACCUITYは、創業180年の金融コンプライアンスのコンサルティング会社であり、世界中の銀行や企業に対してコンサルティングサービスを提要しています。

フィンテック技術の発達により、デジタル決済は2025年までに8.7兆米ドルまで拡大すると見込まれており、現状では中国が最大のマーケットで、2019年に既に1.6兆米ドルとなっています。

当記事では、本レポートのポイントについて解説したいと思います。

消費者市場が牽引

本レポートでは、企業での導入よりも、個人間(Peer to Peer)の支払手段としての消費者の適応が早いことが報告されています。

世界では銀行口座を開設できない人が20億人も存在しており、この層に対して有用な支払い手段を提供することになります。

また、Accuityの過去レポート「Four Digital Payment Trends」にありましたように、オンライン取引の決済手段の多様化が見込まれており、2021年度以降、最終消費者向けのデジタル決済はますます盛り上がって行くのではないでしょうか。

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企業間取引では?

一方、企業間取引ではデジタル決済の導入は道半ばのようです。

クレジット会社MasterCardの試算では、B2Bにおける決済は毎年120兆米ドル
決済総額の50%以上が銀行小切手(cheque)に依っていることが報告されています。

今後企業がデジタル決済を導入するには、より摩擦がなく、スピードが早く、低コストなものへと事業プロセスを変革する必要があります。

具体的なデジタル決済プロセスとして、以下のフローが紹介されています。

(Source: Digital Payment. Is this really goodby to cash?)
1.取引発生(Onboarding)
・決済検証APIを利用して、情報を提供前にリアルタイムで銀行取引を検証
・販売会社の情報検証
・スクリーニング、デューデリジェンス実施

2.請求(Invoicing)
・販売会社の請求書入手
・契約書との照合

3.未払債務の計上(Accounts payable)
・支払詳細について銀行で自動(またはマニュアル)チェック
・請求書の処理

4.処理(Processing)
・支払データを銀行に送信

5.支払(Payment)
・銀行が支払い実施
・支払い完了

※APIとは、アプリケーション・プログラミング・インターフェイスの略で、顧客同意のもと、銀行の保有する顧客のデータを他の企業ガ利用できる仕組みをいいます。

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デジタル決済の進化により、既存の金融機関にとってはフィンテックベンチャーとの競争の激化が確実視されています。より迅速で安全な決済サービスを提供するために、機動性や柔軟性が必要となってきます。

さいごに

デジタル決済については、以下のようなメリットが見込まれます。

・より早く、正確な決済取引
・回収不能リスクの低減、低コスト
・資金流動性の向上と運転資本の最適化
・顧客満足の向上に資するより幅広いサービス
・顧客行動の深い洞察

デジタル決済は、個人としても、企業としても様々なメリットが得られます。

企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の主要課題として、今後多くの企業が導入をしていくのではないでしょうか。

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