Buy Now Pay Later(後払い販売)市場が急拡大。アジアの主要なプレーヤーはここ。

フィンテックの一つとして、「BNPL(Buy Now Pay Later:後払い販売)」という分野が伸びています。

今回は、BNPLについて解説し、Fintech Singaporeに取り上げられている、アジアで勢いのあるBNPLベンチャーについて紹介したいと思います。

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BNPL(Buy Now Pay Later:後払い販売)とは

BNPLは、商品やサービスを購入した後に代金を支払うというもので、従来のクレジットカード購入や割賦、信用販売に近い決済モデルです。

ただし、伝統的な決済方法との大きな違いは、「手軽に使える」というもの。

例えば、クレジットカード購入の場合は、クレジットカード作成時に信用審査が行われ、その審査結果でクレジット金額の上限が決定されます。

一方で、BNPLの一般的なビジネスモデルは、このような信用審査などは求められず、電話番号やメールアドレスの登録のみで購買ができる点。

オンラインショッピングの際にクレジットカードの番号を入れる必要はないため、学生などクレジットカードが持てないような層も気軽に利用することができます。

アジアのBNPLで今回Fintech Singaporeに取り上げられた企業は次の6社です。

・Paid (日本)
・Pine Labs (インド)
・Akulaku (インドネシア)
・Cashalo (フィリピン)
・Atome (シンガポール)
・hoolah (シンガポール)

それぞれ簡単に紹介していきたいと思います。

Paidy (日本)

Paidyは2014年に立ち上げた日本のフィンテック・スタートアップです。

メアドと電話番号を入力するだけでオンラインショッピングできる手軽さから、利用者が増えているとのこと。

適切な信用審査もなしに後払いを認めてしまうと、お金を払わずに、貸倒れてしまう人が増えるのではないかと心配になります。

この点、Paidyでは支払わない人の特徴や、適正な信用限度額を、社内に蓄積されたビックデータとAIによるアルゴリズム分析により算出しています。

今後さらに利用者が増えデータが集まることで、さらに精度の高い貸し出しが可能になります。

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日本では、キャッシュレス決済が以外と進んでいないので、さらに成長する可能性が高そうですね。

Pine Labs(インド)

Pine Labs はインドのファイナンス、購買のテクノロジー企業で、オンライン購買におけるラストワンマイル(購入するにあたっての最後の手続である支払い)分野のテクノロジー企業。

Pine Labsのプラットフォームを使うことで、月割の支払いが簡単に行うことができます。

Pine Labsは、インドにおけるBNPLサービスのリーダー企業であり、その市場シェアはなんと95%。インドにおける15万店の商業施設に支払い手段を提供しており、35のクレジットカード会社、ノンバンクなどの金融機関と提携しています。

2021年には伝統的なクレジットカード会社であるMastercardとパートナーシップを結び、タイやフィリピンなど東南アジア諸国へと進出します。

多くの人口を抱えるインドで95%のシェアを誇るとなると、集まっているデータも莫大なものとなります。東南アジアでも順調にユーザーを増やしてデータを集めることができるかがキーとなりそうです。

Akulaku (インドネシア)

2016年に設立されたAkulakuは、オンライン・クレジット、ウェルス・マネジメント(資産運用)、デジタルバンクに関するインドネシアのスタートアップ企業。

Akurakuはバーチャル・クレジット事業から開始し、現在は自社のeコマースプラットフォームの運営、ウェルス・マネジメント、P2Pレンディング(個人間でのお金の貸し借り)事業を構築しています。

Akulakuも、クレジットカードなしで分割払いを行うことができるサービスを提供します。

Akurakuのマーケットシェアは70〜80%と高いものとなっており、2020年7月時点では、600万人のユーザー、15億ドル(約1500億円)の取引額を有します。

インドネシアも3億人と、東南アジア随一の人口を誇りますので、ここでマーケットシェアの大部分を取ることができれば、アジアの主要BNPLプラットフォームになることができるかもしれません。

Cashalo (フィリピン)

Cashaloは、香港のフィンテック企業Orienteの子会社であり、フィリピンにおいてオンライン・オフラインの両面で信用サービスを提供しています。

CashaloのサービスであるPayLaterを利用すれば、顧客は信用ラインの上限までCashaloや提携店でショッピングすることができます。

Cashaloは独自のテクノロジーを利用して顧客のローン返済能力を評価し、公的なID等の情報提供をもとにサービスの利用を許可します。

サービス利用開始後は、顧客の消費パターンを分析し、ローン可能額の精度を高めていくことができます。

親会社のOrienteは、もともとSkypeの共同創業者が2017年にはじめた事業で、データサイエンスを利用して銀行口座を持つことができないアジアのユーザーへファイナンス・サービスを提供することを目的としています。

Atome (シンガポール)

フィンテック先進国のシンガポールでは、2017年にATOMEが創業されています。

ATOMEはショッピングの際に、当月、翌月、翌々月の3回の均等額に分割して返済できるというもの。利息やサービスフィーはかかりません

ただし、顧客が支払日に滞納した場合はアカウントを凍結し20ドルの手数料をチャージ、7日間支払いが遅延した場合はさらに10ドルが課せられます。

現在はシンガポールの他、マレーシア、香港、ベトナム、中国で事業展開しています。

Hoolah (シンガポール)

2018年に創業されたHoolahもシンガポールのBNPL企業です。

HoolahのサービスもAtomeと同様、利息なしで3回に分けて支払いできるというもの。

Hoolahのペナルティは、100ドル〜1000ドルの間の取引では、顧客が支払いを怠った場合に最大60ドルの範囲内で支払遅延ごとに15ドルがチャージされます。

1000ドルの取引では6%、100ドルの取引では60%のペナルティ料率ということになります。

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さいごに

従来はクレジットカード会社が支配していたBNPL事業ですが、フィンテック技術を利用したスタートアップがたくさん登場してきています。

どの企業もビックデータとAIを利用して、各取引の信用リスクを最適化し、面倒な信用審査などの手続きを省略するというもの。

このようなサービスには、もともと信用リスクが低くてクレジット・カードが作れないようなユーザーが集まることが予想されます。

そのため、このような企業が収益をあげるためには、精度の高い与信限度額の設定が不可欠です。事業を行う国においてどれだけユーザーを確保する事ができるかが、事業成長の決め手になるのではないでしょうか。

ユーザーとしては、面倒な手続なしに無利息で分割払いできるというメリットがあります。従来のクレジットカードも差別化のために特典など付加価値を高める努力が必要をするでしょうし、カード保有者にもメリットがあるのではないでしょうか。

どの企業がメジャーなプラットフォームとなるかはわかりませんが、今後の動向に注目したいですね。

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