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【シンガポール・フィンテック】2021年におけるデジタル決済のトレンドは?

2020年度において、コロナのパンデミックを追い風に、東南アジアではデジタル決済が急成長しました。

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それでは、2021年度において、デジタル経済はどのような進化を遂げるのでしょうか。

Fintech Singaporeに掲載された記事である、スイスのソフトウェア会社Netceteraシンガポール支社においてデジタル決済責任者を務めるトーマス・フロムヘルツ博士の予測が興味深いので紹介します。

目に見えない決済(Invisible payments)

より多くのe-コマース取引がモバイル空間へと移行していくなか、新しいビジネスチャンスが生まれています。

その一つが「目に見えない決済(Invisible payments)」。

フロムヘルツ氏によると、e-コマースとデジタル決済は、モバイルの力でより強固となり、その上で、顧客の購買フローの中で支払が自動でなされるという、「目に見えない決済」が可能となっていると指摘します。

東南アジアではこの「目に見えない決済」は普及しはじめており、たとえば配車アプリのGrabLine Payでよく利用されています。

世界で更に先を行っている例は、Amazonの無人コンビニAmazon Goです。

無人コンビニでは、お客さんはレジで会計することなく商品を購入することができ、これこそが「目に見えない決済」の最先端といえます。

今後、東南アジアをはじめ世界中で普及することが想像できますね。

ソーシャルメディアを通じたe−コマース

FacebookInstagramなどのソーシャルメディアを通じたe-コマース。

これがもう一つの重要なトレンドであるとフロムヘルツ氏は言います。

ポイントは、ユーザーが常に利用しているチャネルを利用して買い物ができるという点。

 

人工知能のおかげで、ユーザーが投稿した写真からアイテムや商品を抽出することができるようになった。例えば、写真の中のスニーカーや時計、アクセサリ―などだ。それらとeコマースのサイトをリンクすることで、投稿の視聴者はすぐにショッピングを行うことができる。

このテクノロジーは、ソーシャルメディアがすでに提供している決済手段、たとえばFacebook PayやApple Pay、さらには伝統的なクレジットカードと連動することができるます。

会話アプリ・コマース(Conversational commerce)

会話アプリコマースまたはメッセージアプリを通じたeコマースも次のトレンド候補です。特にビジネス-顧客間(B to C)のeコマースにおいて利用されやすいとのこと。

たとえば、チャットアプリのWechatWhatsAppにおいて決済機能が実装されています。

ボストンコンサルティンググループによると、世界中の消費者が「会話アプリ・コマース」を受け入れ始めているといいます。

その理由は「会話アプリ・コマース」が、各個人の要望を満たすような、パーソナライズされた経験を迅速にもたらすことができるためであると分析します。

さらに「会話アプリ・コマース」はオンラインショッピングにおいてのみではなく、より高価買い物でも利用され始めています。

「会話」のような信頼できる個人的な結びつきは、商品なブランド価値を高めることができ、売り手との会話により新しい接点やより多額の消費、口コミにつながるということがわかっています。

音声対応コマース (Voice-activated commerce)

4つ目のトレンドとして今後有望であると指摘するのが「音声対応コマース(Voice-activated commerce)」です。

これはAmazonのAlexaGoogle Assistantなど、音声により起動できるプラットフォームを利用したeコマースであり、数年前から勢いを増しています。

2020年にクレジットカード会社のVISAなどにより行なわれた調査によると、2020年において2,300万人の消費者が音声アシスタントを利用してショッピングを行っており、これは2018年度から45%の増加、2019年度からは8%の増加したと推測しています。

大手企業がこの音声対応コマースに続々と参入しています。たとえば世界最大の小売事業者であるWalmartは、2019年4月にGoogleと提携してWalmart Voice Orderをローンチしています。このアプリを使えば、「Hey Google、ウォルマートに話して」と呼びかけるだけでWalmartでの買い物に進むことができるとのことです。

また、AmazonもAmazonFreshという同様のアプリを提供しており、音声アプリのAlexaを通して買い物をすることができます。

今後のデジタル決済トレンドに共通すること

以上、今後のデジタル決済におけるトレンド4つを紹介しました。

フロムヘルツ博士によると、eコマースにおけるデジタル決済に共通することは「摩擦のない決済(Frictionless digital payements)」とのことです。

今後数年で、お金を払うのにも気が付かないくらい決済がシームレスに行う世の中となっているのではないでしょうか。

ブロックチェーンによる仮想通貨など、決済だけではなく通貨そのものにもイノベーションが起きつつあります。

来年のデジタル決済の進化に要注目です。

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