国外への支払いには留意!シンガポールにおける源泉所得税

源泉所得税の概要

国をまたいでお金の支払を行う場合に留意しなければならない税金として、源泉所得税(withholding tax)があります。

これは、シンガポール国内を源泉とする所得が生じた場合に、シンガポール法人から国外の会社等へ支払を行う際に、源泉税分を天引きして納付することが求められます。

なぜこのような税金の支払が必要なのでしょうか。それは、シンガポール内で生じた国内源泉所得は、原則として課税対象となる一方、シンガポール非居住会社はシンガポールにおいて納税する必要がないため、この分の税金を取りっぱぐれてしまうため、それを防ぐ趣旨です。

通常税金は対価の支払を受けた人(所得を稼得した人)が申告・納税する義務を負うのですが、源泉税の場合は、対価の支払を行う人が予め天引きして納税することが求められるのです。

源泉税の納税義務者

源泉税の納税義務者は非居住会社(Non-resident Company)と非居住者(Non-resident Individuals)です。各々の詳細は以下のとおりです。

非居住会社(Non-resident Company)

シンガポールでは、納税会社(tax resident)または非居住会社(Non-resident Company)に分類されます。会社の居住ステータスの判定は、事業の運営(control)及び管理(manage)がどこで行われているかで決定されます。

運営及び管理(control and management)とは、会社方針や戦略の決定が行われることを意味し、一般的には取締役会(Board of Directors)が実施される場所で判断されます。

シンガポール国外で設立された会社や外国会社のシンガポール支店は会社方針や戦略の意思決定は通常シンガポールで行われませんので、非居住会社として扱われます。

一方、たとえ会社がシンガポールで設立されていても、事業の運営(control)及び管理(manage)が国外で実施されている場合は、シンガポール非居住会社と判定されます。

非居住者(Non-resident Individuals)

源泉所得税にあたって留意すべき個人は、外国人専門家(Foreign professional)、芸能人(Public Entertainer)及び外国人取締役(Foreign Board Director)です。

外国人専門家とは、技術的なノウハウや専門性を有する者で弁護士や会計士、コンサルタントやシンガポールでセミナーを開催するような外国公演者が含まれます。

源泉税の対象となる項目と税率

源泉所得税は法律上定められた特定の支払に対して課税されます。主なものは以下となります。

ちなみに、日本とシンガポールの間で締結している租税条約を適用することで税率を軽減できる項目もあります。

租税条約を適用する場合は、支払先が非居住会社であることを証明する居住証明が必要となります。

項目 シンガポール国内法 日星租税条約
利子・コミッション・負債に関連した支払 15% 10%
動産の使用に関するロイヤルティ、その他支払 10% 10%
著作物に関連するロイヤルティ、その他支払 22% 10%
科学、技術、工業、商業的知識や情報に関して生じる支払 10% 10%
動産賃借料その他支払 10% 10%
技術支援料・サービスフィー 法人税率(17%
マネジメントフィー 法人税率(17%
非居住取締役への支払 22%
外国人専門家への支払

総所得(Gross income)の15%

純所得(Net income)の22%

上記のうちいずれか大きい方

 

納税期限及びペナルティ

源泉税は、非居住者へ支払った日(date of payment)から2ヶ月後の15日までに、電子申告(e-file)の方法で申告・納税しなければなりません。

支払日(date of payment)は、次のうち、最も早い日で決定されます。


・契約書、請求書当に決められた支払期日

・受取人である非居住者側で支払が会計計上された日

・実際の支払日


 

最後に、源泉税はサービス提供等がシンガポール国内で行われた場合に課税されます。そのため、国内及び国外の両方で提供するサービスがある場合は、金額を分けて請求書を発行するなどの対応が必要です。源泉税は判断が難しい項目ですので、税務専門家にご相談いただくことをお勧めします。

詳細はこちら参照→IRAS/withholding tax

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