【シンガポール・フィンテック】シンガポールのロボ・アドバイザー。

資産運用には株式や投資信託、金をはじめ無数の選択肢があり、自分のニーズに合った投資運用を行うには高度な専門的知識が必要です。

ところが近年ではIT技術の発展により、資産運用を自動で行ってくれるロボアドバイザーが数多く登場しています。

コロナの影響で投資意欲が世界的に高まっており、ロボアドバイザーへの需要が増加しています。

世界のロボアドバイザー市場における2021年〜2025年の年間成長率は40.3%で、2025年までに2.8兆USDまで拡大すると予想されています。

ロボアドバイザーの魅力は、低い初期投資額と手数料で気軽に始めることができ、投資において主観的な感情を排除し合理的な意思決定ができることです。

シンガポールにおいては、ロボアドバイザー事業はシンガポール金融庁(Monetary Authority of Singapore)の監督下に置かれ、証券取引法(Securities and Futures Act)及び財務アドバイザー法(Financial Advisors Act)の下、ライセンスを取得する必要があります。

ここで、fintechnes.sgに取り上げられたシンガポールの代表的なロボアドバイザーについて紹介します。

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StashAway

2017年に設立されたStashAwayは2021年に急成長し、10億USDの運用資産高となっているとのこと。

2020年度の運用利回りは高リスクポートフォリオで21.9%、低リスクポートフォリオで3.4% と報告されており、かなりの高利回りを実現しています。

最低投資額は10,000SGD以上ですが、毎回の投資額の縛りはありません。

年間手数料は0.2%-0.8%で、投資残高に応じて低率となります。

引き出しや、ポートフォリオ間の移動は手数料がかかりません。

利回りがかなり高いので期待できますが、設立の2017年〜2021年は上昇相場ですので、今後のパフォーマンスには留意が必要そうです。

Endowus

Endowus初期投資額1,000SGDで開始できます。

ユニーク特徴は、シンガポールの年金制度であるCPF、SRSと連動して投資できる点です。

手数料も0.05%〜0.6%と低めです。

シンガポールのメガバンクであるUOB銀行と提携しており、セキュリティも信頼できそうです。

Syfe

Syfeの特徴は、不動産リート投資(REIT)に関するポートフォリオを提供している点です。

年間の手数料は0.4%〜0.65%で、換金引き出しや、ポートフォリオの移動については、他のロボアドバイザーと同様手数料がかかりません。

リートへの投資を考えている方に向いているといえそうです。

サービス名は日本語の「財布」から来ているのか気になるところです。。

MoneyOwl

MoneyOwlは、シンガポールの労働組合であるNTUCとジョイント・ベンチャーを組んでいるロボアドバイザーです。

NTUC(National Trade Union Congress)はシンガポール最大のスーパーチェーンであるFairPriceなどを運営している大きな組織ですので、投資プラットフォームとしてMoneyOwlは信頼できそうです。

最低投資額は単発で100SGD、毎月の積立投資では50SGDとなります。年間手数料は、10,000SGD以下は0%、最大で0.6%となります。

手数料を抑えたい投資ビギナーに向いているといえそうです。

さいごに

ロボアドバイザーのメリットは、投資をシステム化し人手を削減することでユーザの手数料を最小化していることです。

長期の投資においては、複利効果の影響もあるため1%の手数料の違いで数十年後の資産残高に大きな差がでてきます。

どのロボアドバザーも設立から年数がたっておらず、会社の財務基盤やセキュリティ体制に多少不安はありますが、高いリターンを目指すために資産の一部を運用するのがいいのではないでしょうか。

伝統的な銀行をはじめ、今後多くのロボアドバイザーが登場することが予想されます。

投資を最適化し、リターンを最大化するために、注目していきたいと思います。

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