【シンガポール統計データ】2020年度シンガポールの家計収入、所得格差の状況。

シンガポール統計局が、2020年度の家計収入に関する統計情報「Key Household Income Trends, 2020」を発表しました。

2020年度は、コロナの影響もあり、シンガポール人の家計は前年度より厳しい状況にあったことが報告されています。

以下、ハイライトの要約となります。

シンガポール家計の収入の状況

(Source: Key Household Income Trends, 2020、DOS)

・就労者のいる家計所得の中間値(median)は、2019年の9,425シンガポールドル/月から2020年は9,189シンガポールドル/月へ、2.5%減少した(インフレ調整後で2.4%)。

・家計内の労働者1人あたりの月収は、2019年の2,925シンガポールドル/月から2020年は2,886シンガポールドル/月へ、1.3%減少した(インフレ調整後で2.2%)。

所得階層別の状況

(Source: Key Household Income Trends, 2020、DOS)

すべての所得層について、労働所得の減少となった。上位60%の所得層は就労者1人あたりの落ち込みは37-49シンガポールドル/月であったが、下位40%の落ち込みは96-337シンガポールドル/月と大きく落ち込んだ。

・とはいうものの、2015年〜2020年で、就労者のいる家計所得のすべての所得層において、家計所得は年率で0.6%〜2.9%増加している。

・政府からの補助金は、2020年度に増加している。特に低所得層で顕著である。

家計が受け取った政府補助金は、2020度は年間(median)で6,308シンガポールドルであり、2019年度の4,684シンガポールドルから大幅に増加した。

・これはCovid-19に関連した、様々な政府の補助スキームの結果である。特に、1〜2部屋程度の低所得層向け公共住宅(HDB)に住む家計への補助は平均で13,670シンガポールドルであり、3部屋以上のHDB家計の2倍近くに上った。

2020年度シンガポールのジニ係数について

ジニ係数

所得の格差を示す指標。所得が完全に公平に分配できている場合はゼロ、1家計が所得を独占していて、格差が最大の状態を1で表わす。日本のジニ係数は2017年度調査で0.55、政府の補助、税制や社会保障による再分配後で0.37。

・2020年度の家計所得のジニ係数は、2020年度0.452で2019年度と同数値であった。

政府補助及び減税を考慮すると、2020年度のジニ係数は0.375となり、2019年度の00.398に比較すると、考慮しない数値からの変化幅は大きくなった。これも、Covid-19に対する様々な政府のサポートの結果である。

(詳細な内容については、Key Household Income Trends, 2020を参照ください。)

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