シンガポールのデジタル化推進に関する最新レポート(Chugoku Bank、24年9月)です。
シンガポールはマイナンバーのような行政システム、Paypayのような決済アプリ等のデジタル化がかなり進んでいます。
本レポートは、その背景にある国家戦略やデジタル化の詳細について簡潔にまとめられており参考になります。
サマリー
シンガポールのデジタル戦略:
・シンガポールは、1965年の独立以来、限られた国土と資源を背景に、デジタル技術を経済発展の重要な柱として位置づけてきた。
・2014年には「スマートネイション構想」が発表され、国民生活の利便性向上や経済発展を目的としたデジタル化を推進。
・2023年の「世界デジタル競争力ランキング」では、シンガポールは世界3位、アジアで最上位に位置している。
主なシンガポールのデジタル化:
・Singpass(シングパス):これはデジタル身分証明書で、医療予約や保険の更新など、15歳以上の国民や外国人登録番号保持者が利用可能。Singpassを使って、800の政府機関や企業の2,700以上のサービスにアクセスできるようになっている。
・キャッシュレス決済:シンガポールではほぼ現金を使う機会がなく、PayNowやSGQR(統一QRコード)などのキャッシュレスシステムが広く普及している。
・公共交通機関のクレジットカード決済(Simply Go):MRT(地下鉄)やバスではクレジットカードをかざすだけで利用でき、2019年頃からこのシステムが標準化。
スマートネイションのプロジェクト:
・デジタル身分証明、キャッシュレス決済、水道メーターのスマート化、センサーネットワーク、自動運転技術、ワンストップ行政サービスの導入など、複数のデジタルプロジェクトが進行中。
・北東部のプンゴル地区ではスマートタウン開発が進み、サイバーセキュリティやIoTなどの分野で28,000人の雇用創出が期待。