シンガポールにおけるNFT(Non-Fungible Token)の概要について。

NFT(非代替可能トークン)とは

NFTとは、ブロックチェーン技術を利用いた暗号化トークンの一種です。「Non-Fungible=非代替可能性」という単語が示すように、唯一の識別コード及びメタデータを付与することで、他のNFTと区別することができ、同一のNFTは存在しません。

NFTはブロックチェーン上に所有権及び取引履歴を記録し、元となるデジタル資産の信頼性と所有権を表すことができます。デジタルデータ自体はコピーできたとしても、オリジナルのNFTの所有権は1つとなります。

従来は無限にコピー可能であったデジタルデータに所有権や履歴を与えるものであるため、デジタルアート作品に利用されることが想定されます。

2017年に公表され、初期のNFT作品として認知されているCrypto Punksのデジタルアートなど有名です。

(Source: CryptoPunks HP )

NFTと暗号資産の違い

暗号通貨(Crypto Currency)のなかでビットコインに次ぐ人気を誇るイーサリアム(Ethereum)が、NFTの土台となるプラットフォームとしてメジャーです。

イーサリアムは、もともとブロックチェーン技術を利用したプラットフォームであり、そこで手数料として使用されるデータが、イーサ(ETH)という暗号通貨です。

暗号通貨「Fungible Token」(代替可能なトークン)であり、以下の性質において明確に異なります。

互換性

暗号通貨のような代替可能トークンは、同じ種類の別のトークンに交換することができます。例えば10ドル相当のビットコインは、同じく10ドル相当のビットコインと交換可能です。価値交換の手段となる通貨には、この互換性が重要な機能となります。

一方、非代替可能トークンであるNFTは、各NFTが唯一のものであり、互換性がありません。

独自性

代替可能トークンには同じ機能、特性がある一方、NFTはそれぞれが独自の存在となります。そのため希少性が価値となるアートと親和性が高いといえます。

分割可能性

代替可能トークンは小さい単位に分割することが可能ですが、NFTはそれ自体が独自のものであるため、より小さな単位に分割することはできません。

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シンガポールにおけるNFTの法的取り扱い

すでにシンガポールにおいてNFTアートを販売するアーティストは存在するものの、現状では、シンガポールにおいてNFTを製作、購入及び販売する明確な規制は存在しません。NFTは通貨とみなされないため、シンガポール金融庁(MAS)の規制対象ではありません

2020年1月に暗号通貨業者及びデジタル決済トークン(digital payment token)を規制するための「決済サービス法(PSA)」が制定されています。

ただし、NFTは商品やサービスの支払い手段として一般的に認められているものでなく、また上記のような暗号資産との性質の違いから、この「決済サービス法(PSA)」の規制から免除される「限定目的のデジタル・ペイメントトークン(limited purpose digital payment tokens)」と判断される可能性があります。

今後、マネーロンダリングテロ資金の規制という観点で規制がされる可能性はありますが、現状の初期的なNFT市場においてその規制の取り扱いは不明です。

シンガポールにおけるNFTの税務上の取り扱い

現状ではNFTの法的性質が明確でないため、税務上の取り扱いは困難ですが、「決済サービス法(PSA)」上の「限定目的のデジタル・ペイメントトークン(limited purpose digital payment tokens)」としての性質が有力です。

その場合はシンガポールの法人税法上無形固定資産(intangible property)と扱われることになります。これは、ペイメント・トークンが権利や義務を表象する資産である一方で、無形であるためです。

ペイメント・トークンの詳細な課税関係については以下のページをご参照ください。

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さいごに

NFTは、コピーが無限に可能であるという現状のデジタルアートの問題点を克服する手段であり、今後ますます一般的になっていくことが予想されます。誰でもNFTの製作者になれますし、取引が可能です。

一方で、まだ法的な性質や規制が明確ではなく、NFTの取り扱いには注意する必要があります。

NFTに関する法規制、税務や会計上の処理について今後もアップデートしていきたいと思います。

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