英国のリサーチ会社Z/YEN中国総合開発研究所(CDI)が公表する「世界金融センター指数(GFCI)」。この最新ランキングにおいて、シンガポールが6位にランクインしました。
世界金融センター指数(GFCI)とは
28回目となる今回の世界金融センター指数(Global Financial Centres Index)は、121の地域を対象に、「事業環境(Business Environment)」「人財(Human Capital)」「インフラ(Infrastructure)」「財務セクターにおける発展(Financial Sector Development)」「評判(Reputation)」の5区分において評価するというもの。
結果は、全ての区分において、New Yorkが1位、Londonが2位となっており、伝統的な金融センターである両雄は揺るぎない地位を築いていることが見て取れます。
世界金融センター指数におけるシンガポール
今回のランキングにおいてシンガポールは総合6位を獲得。区分ごとのランキングは以下の結果となっています。
「事業環境(Business Environment)」:6位
「人財(Human Capital)」:5位
「インフラ(Infrastructure)」:4位
「財務セクターにおける発展(Financial Sector Development)」:4位
「評判(Reputation)」:3位
アジアでは、上海、香港の中国各都市が順位を上げる一方、日本やシンガポールが下げています。香港は民主化問題などもあり、国際金融センターとしての地位はゆらぎそうなものですが、現状ではランキングを上げています。中国の勢いが見て取れますね。
世界金融センター指数におけるフィンテック
同報告書では、世界のフィンテックランキングも公表しています。金融センターの中でも最先端のフィンテックとなると少し順位に変動があり興味深いです。というのも、フィンテックの発展が凄まじい中国勢、北京、上海、深セン、香港、広州がトップ10に食い込んでくる一方、シンガポールは順位を落として9位、東京にいたってはトップ10圏外(14位)へと転落します。米国はNew Yorkが堂々の一位となっていますが、シリコンバレーを要するSan Franciscoエリアも7位に入ってきます。
フィンテック強国になるための重要な要素を以下と発表されています。
・ファイナンスへのアクセス(14%)
・技術者の利用可能性(14%)
・イノベーションを起こすエコシステム(13%)
・ICTインフラ(12%)
・規制環境(11%)
・需要(11%)
・都市の評判(9%)
・カルチャー・ライフスタイル(9%)
・税率(7%)
また、フィンテック事業として重要なエリアは以下との回答になっています。
・ビッグデータ分析(16%)
・決済システム(14%)
・サイバーセキュリティ(13%)
・信用リスクモデリング(12%)
・トレーディングプラットフォーム(10%)
・サイバー通貨(9%)
・分散台帳(7%)
・保険テック(7%)
・パーソナル・ファイナンシャル(6%)
・P to Pレンディング(6%)
さいごに
おおよそ、一般的な認識のとおりで大きなサプライズはないのではないでしょうか。
フィンテックに関しては、東京含めた日本の各都市は本気で旧弊を廃し、イノベーションを育てる都市とならなければ、他の金融センターに大きく水を開けられることになり、近い将来において金融センターとしての地位は危ういものとなるかもしれません。