シンガポール証券取引所(Singapore Exchange: SGX）は、HSBC銀行およびテマセクと協力し、SGXのデジタル資産の発行、預託、およびサービスプラットフォームにおける初めてとなるデジタル公債発行を完了し、4億シンガポールドルの5.5年国債、及びそれに続くオーラム・インターナショナル社（Olam International）の1億ドルの起債に成功しました。
アジアで初のシンジケート公社債であるこのデジタル債権は、債権の発行者、引受人、投資家その他、エコシステムへの参加者のプロセスを合理化といった点においてSGXのデジタル資産技術の利用における新たなマイルストーンとなります。
SGXは、Digital Assetによって作成されたスマートコントラクト言語であるDAMLを使用して、債券と債券のライフサイクル全体にわたる発行およびアセットサービスのための分散ワークフローをモデル化。
SGXのソリューションは、スマートコントラクトを使用して、アレンジャー、預託代理人、弁護士、証券保管機関など、発行と資産サービスに関与する当事者の権利と義務を捕捉します。
デジタル債券は、HSBCのチェーン決済ソリューション(on-chain payment)を利用。この技術により、複数の通貨でのシームレスな決済が可能になり、発行者、アレンジャー、投資家及び証券保管機関の間における収益の移動が容易になります。
このパイロット取引で見られた効率的な主な点は、適時のISIN（識別子）生成、決済リスクの排除（発行者、アレンジャー及び投資家の観点）、決済の短縮（５日から２日）、リ払い及び償還支払いの自動化です。
今回のデジタル起債を起点として、SGXは債権の発行、保管、アセットサービスをデジタル化し、エコシステムのさらなる発展ため、発行者、アレンジャー、証券保管銀行及び投資家と協力していくとのことです。
