米国金利の水準と、新興国通貨価値のトピックです。
一般論として、高い米国金利の下では、新興国通貨から米ドルへ資金が移動するため新興国通貨が安くなります。
逆をいうと、米国金利が低下する局面では、新興国通貨が高くなる傾向になるということになりますが、最近は米国金利の低下にもかかわらず新興国通貨は上昇していません。
本レポートでは、米国金利と新興国通貨の関係を解説するとともに、足元の米国金利低下環境での新興国通貨安のメカニズムについて解説しています。
新興国通貨やそれに影響される新興国投資に係る方には、興味深いレポートです。
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米国の利上げは、インフレ率の急激な上昇を受けて2022年より急ピッチで進められてきましたが、インフレの沈静化達成と景気減速懸念から、そろそろ利下げが取りざたされてきました。
上図では、2024年の5月ごろから米国2年債利回りと新興国通貨指数がどちらも低下しているのが見て取れます。
本レポートによると、米国の利下げがインフレの沈静化と通常の経済環境への回帰である場合は、新興国通貨の価値は上がっていくことになります。
一方、米国の利下げが行われても、その原因が米国の景気後退である場合、世界経済の減速懸念からリスク資産である新興国通貨も同時に低下します。
今後の新興国通貨の動向を見るうえで、米国の利下げが、景気減速を理由とするものか、インフレ率安定による通常の経済環境への回帰なのかについてはよく観察する必要がありそうですね。