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【シングリッシュ】Singlishの3つの基本原則と頻出単語。

シンガポールに来た人がまず戸惑うのは、現地の人の英語が全くわからない!という事かもしれません。

英語が流暢な人でも、いや流暢な人であればあるほど、独特な発音、単語をもつシンガポールの英語に面を喰らうようです。

シンガポールは、英語を共通語としながらも多文化・多言語が共存する都市国家であり、その独特な英語表現が「シングリッシュ(Singlish)」と呼ばれます。

シングリッシュは、英語を基盤にしながらも、マレー語、中国語(主に福建語、広東語、客家語)、タミル語など、シンガポールに住む多民族の言語要素を取り入れた言語です。

シンガポールの多様な文化背景を反映したシングリッシュについて、詳しく見ていきましょう。

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シングリッシュの基本原則

シングリッシュを使いこなすには、シングリッシュの基本原則を理解することが大事です。個人的見解ですが、その基本原則とは以下の3つであると考えます。

1.省略

2.きどらない

3.外国語由来

シングリッシュの基本原則1ー省略

シングリッシュでは、特定の音や語を省略することが一般的です。

基本原則1ー省略には、大きくわけて次の3ルールがあります。

1.語尾を発音しない
2.長音をきる
3.be動詞、主語等を省略

原則ルール例文解説・発音
省略語尾を発音しないTemplateテンプレッ
長音はきるDinnerディナッ
be動詞、主語等を省略You can do it !Can !
No needいりません。 ノニッ

シングリッシュの基本原則2ーきどらない

シングリッシュでは、文法的な厳密さが緩和され、また発音も英国や米国の正統的な英語発音にこだわらずに現地の人の馴染ある発音を用いることが一般的です。

基本原則2ーきどらない、には、主に以下の4つのルールがあります。

1.Th は t か d
2.動詞は原形でいい
3.単複を気にしない
4.語順も気にしない

原則ルール例文解説・発音
きどらないTh は t か dSomethingサムティング
動詞は原形でいいI have been to JapanI go Japan
単複を気にしないTwo childrenTwo child
語順も気にしないWhere do you eat ?You eat where?

3. 外国語由来

シンガポールは1965年にマレーシアから独立した比較的新しい都市国家で、その国民は、中華系6割、マレー系3割、インド系1割から構成され、またその他に40%近い割合で外国人が居住しています。

このように多民族に構成された国家であることから、共通語として用いられる英語も、各民族の言語が少しずつ溶け込んでいるものとなっています。

外国語由来のシングリッシュで代表的なものは以下のような表現があります。

原則ルール例文解説・発音
外国語由来中国語の文末尾OK Lah! (ラー)大丈夫だよ! -強調
You don’t like Meh? (マ)きらいですか? -質問形
I finished Liao終わったよ。 -完了の強調
マレー語の単語Alamak!日本語の「あらま」と同じ 「Oh my god」
Shiok!(心から)美味しい!

3つの基本原則の背景

1.省略、2.気取らない、3.外国語由来というシングリッシュの3原則は、多文化・先進経済国家シンガポールの独特な文化的・歴史的背景に起因すると考えます。

1. 多言語環境

シンガポールは、多民族・多言語の社会です。英語、中国語、マレー語、タミル語が共存しており、それぞれの言語がシングリッシュに影響を与えています。これにより、言語間でのコミュニケーションを円滑にするために、簡略化された表現が発展しました。

2. 効率性

シンガポールのビジネス環境や日常生活は非常に忙しいため、効率的なコミュニケーションが重視されます。言葉を省略することで、情報を迅速に伝えることができます。

3. 言語の簡略化と融合

シングリッシュは、複数の言語が融合した結果として自然に形成されました。この過程で、各言語の簡略化された要素が取り入れられました。例えば、福建語やマレー語などの影響で、簡潔で直接的な表現が好まれます。

4. 音の調和

シングリッシュは、音の流れが自然で調和が取れるように発展してきました。中国語を取り入れてるのがその証左です。また語尾を省略することで、話しやすく、聞き取りやすい音の流れが作られます。

5. コミュニティのアイデンティティ

シングリッシュは、シンガポール人同士の結束感を強める役割も果たしています。独特の言語形式を共有することで、シンガポール人同士が親しみやすく感じられます。

言葉の省略や独自の表現は、コミュニティのアイデンティティの一部となっています。

シングリッシュの頻出英単語

ChatGPTが提案した、シングリッシュの頻出英単語16個を記載します。

Singlish 読み方 意味 例文 日本語訳
Alamak! アラマッ! 日「あらま」と同じ 「Oh my god」 Alamak! The bus just left! アラマック!バスがちょうど出発した!
Shiok! シオッㇰ! (心から)美味しい ! That durian was really shiok! あのドリアンは本当に最高だった!
Aiyoh アイヨ〜 もう! 「oh No」 Aiyoh! Why is the traffic so bad today? アイヨー!今日はどうしてこんなに渋滞しているの?
Atas アタス (形)セレブな He always eats at atas restaurants. 彼はいつも高級レストランで食事をする。
Kiasu キアス (形、名)負けず嫌いな He’s so kiasu, always trying to be the first in line. 彼はとても負けず嫌いで、いつも列の一番前に立とうとする。
Jialat ジャラッ (形)深刻な、困難な I forgot to submit my report, jialat! レポートの提出を忘れた、大変だ!
Paiseh パイセー (形)恥ずかしい Paiseh, I spilled my drink on the table. 恥ずかしい、テーブルに飲み物をこぼしてしまった。
Xian/Sian シェン (形)退屈だ、うんざりだ I’m xian with all the meetings today. 今日は会議ばかりでうんざりしている。
Siao シィアオ (形)馬鹿げている He spent $1,000 on a toy? Siao! 彼が玩具に1000ドルも使ったって?狂ってる!
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Makan マカン (動)食べる You want to makan now? 今食べたい?
Chope チョープ (動)場所を確保する Let’s chope a table before we order our food. 食べ物を注文する前にテーブルを確保しよう。
Lepak レパッ (動)のんびりする Let’s lepak at the mall this afternoon. 今日の午後、モールでのんびりしよう。
Sabo サボ (動)困らせる Don’t sabo me, I’m already stressed. 妨害しないで、もうストレスが溜まってるんだから。
Ta Pau タパオ (動)食べ物を持ち帰る Let’s ta pau some food for dinner. 夕食のために食べ物を持ち帰ろう。

まとめ

シングリッシュは、シンガポールの多様な文化背景を反映したユニークな言語です。

英語を基盤にしつつも、多くの異なる言語の影響を受けているため、独自の文法や語彙が形成されています。シングリッシュを理解することで、シンガポールの文化やコミュニケーションのスタイルをより深く知ることができます。

シングリッシュを流暢に操れるようになれば、シンガポール人との距離もぐっと近くなることは間違いないと思います。

シンガポールを訪れる際は、ぜひシングリッシュを使って地元の人々と交流してみましょう。

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