シンガポール金融庁が2023年上期の経済状況に関するレポート「Recent Economic Developments」を公表しています。
シンガポール金融庁の捉える世界経済及びシンガポール経済の概況についてまとめておきたいと思います。
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国際経済の概況とリスクについて
GDP成長率はアジア(日本除く)が突出、先進国G3(米国、ユーロ、日本)は低調でした。
ちなみにシンガポール政府の統計上、日本はまだ主要3経済地域の一つとして捉えられていますね。
金利の引き上げに逆相関し、順調にディスインフレが進んでいます。
国際経済の概況
・供給制約が薄れ、順調に拡大
・金融引き締めは経済の大幅減速を起こしていない
・世界的なディスインフレが進む
・23年下期〜24年上期は世界経済減速、24年下期から回復
・供給制約が薄れ、順調に拡大
・金融引き締めは経済の大幅減速を起こしていない
・世界的なディスインフレが進む
・23年下期〜24年上期は世界経済減速、24年下期から回復
国際経済のリスク
・先進国の過剰引き締めで、アジア新興国の債務ストレスを引き起こす
・エルニーニョ減少で食品、原材料価格の上昇圧力
・先進国の過剰引き締めで、アジア新興国の債務ストレスを引き起こす
・エルニーニョ減少で食品、原材料価格の上昇圧力
シンガポールの経済概況
シンガポール経済は、国内向けはGDP成長プラスも、海外向けがマイナス1%超の不調、GDP全体の成長率1%程度と軟調でした。
シンガポール経済の概況
・22年後半以降明らかに減速
・海外向けは低迷も、国内向けセクターは好調
・23年下期も海外向けは不確実性大
・GDP成長率は22年の3.6%から23年は0.5%〜1.5%に減速予想
・22年後半以降明らかに減速
・海外向けは低迷も、国内向けセクターは好調
・23年下期も海外向けは不確実性大
・GDP成長率は22年の3.6%から23年は0.5%〜1.5%に減速予想
シンガポール雇用の概況
シンガポール雇用は引き続き強く、逼迫状態にあります。当面、外国人の就労ビザも出やすい状況にあるのではないでしょうか。
シンガポールの雇用状況
・居住者失業率は過去10年来の低水準
・23年6月時点で労働市場は引き続き逼迫
・平均月収は引き続き大幅に伸長
・労働参加率は歴史的最高水準、引き続き雇用は逼迫
・居住者失業率は過去10年来の低水準
・23年6月時点で労働市場は引き続き逼迫
・平均月収は引き続き大幅に伸長
・労働参加率は歴史的最高水準、引き続き雇用は逼迫
シンガポールのインフレ状況
シンガポールのインフレ率も順調に落ち着いてきています。サービス、商品ともにインフレ率は低下してきています。
シンガポールのインフレの状況
・コアインフレ率は23年第2四半期は前年比4.6%と、第1四半期の5.4%から低下
・民間交通費、宿泊費の増加ペースが鈍化
・名目実効為替レートS$NEER上昇でシンガポールドル高、輸入コスト圧力解消
・S$NEERの上昇率を維持
・コアインフレ率は23年第2四半期は前年比4.6%と、第1四半期の5.4%から低下
・民間交通費、宿泊費の増加ペースが鈍化
・名目実効為替レートS$NEER上昇でシンガポールドル高、輸入コスト圧力解消
・S$NEERの上昇率を維持
さいごに
22年上半期のシンガポール経済は軟調ですが、インフレ率の低下や良好な雇用環境など、ポジティブな要因も見受けられます。
貿易立国であるため外部環境に左右されがちですが、引き続きシンガポール経済の状況について注視していきたいと思います。