シンガポールで事業を行うにあたり避けて通れないのは、銀行口座の開設です。
シンガポールにはローカルの商業銀行としてDBS銀行、OCBC銀行、UOB銀行の3行がありますが、今回はその中でも最大のDBS銀行について、各種ランキングを見てみたいと思います。
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DBS銀行とは
DBS銀行は1968年に設立された、シンガポールで最大のメガバンク。
2003年まではシンガポール開発銀行(The Development Bank of Singapore Limited)として、政府系開発銀行としてシンガポールの国家としての発展に貢献してきました。
現在は、シンガポール及び香港において、一般銀行業務、ファイナンス、資産運用、証券仲介業などを提供しています。
2022年度の決算は、総収入165億Sドル(1兆6500億円程度)、純利益81億Sドル (8,100億円程度)でした。金利上昇による利ざや拡大の恩恵を受け2021年に引き続き2期連続で最高益を記録しています。
Source: FY2022 4Q 2022 Financial Results
世界の時価総額ランキング
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、2022年末時点の総資産は5,080億USD、資産規模は世界69位に位置しています。
銀行の総資産ランキングは中国、米国や日本、その他欧米先進国が上位にランキングしていますが、シンガポールは国のGDPの規模が小さいこともあり、総資産はそこまで大きくない印象です。
日本は三菱UFJ銀行が3兆1768億USDで世界6位、DBS銀行のおよそ6倍の規模感です。
日本の銀行ですと、準メガバンクりそな銀行が57位6,623億USDで近い規模感です。
世界で最も安全な銀行
Global Finance社が発表する「世界で最も安全な銀行ランキング」2022年度版で、DBS銀行は世界12位、アジアでは1位に選出されています。
DBSの「アジアで最も安全な銀行」の称号は14年連続で維持され続けており、その堅実な経営は長きにわたって評価されています。
このランキングは大手格付会社のフィッチ、S&P、ムーディーズが発行するレーティングに基づいて算出されています。
ちなみに日本の銀行はすべて50位圏外。資産規模の大きい中国も圏外で、米国は4行のみランクインしています。
世界有数のデジタル・バンク
DBS銀行についてもう一つ特筆すべき点は、金融情報誌「ユーロマネー」から、2020年、2021年の2年連続で「世界最高のデジタルバンク」に選出されてることです。(22年度はCiti Bankが受賞。)
DBS銀行は、アジアでいち早くDXに成功した銀行となっています。
ダイヤモンドの記事によれば、DBS銀行は規模面では日本のメガバンクに及ばないものの、利益率は高く、デジタル化により効率よく稼いでる姿が報告されています。
現CEOのピユシュ・グプタ氏は、「脱銀行」をスローガンに、自動車や不動産の売買仲介、新電力、アプリ決済支援など「デジタル銀行」に関連する様々な事業に参入しています。
DBSは自身を銀行ではなく「テクノロジー企業」と捉えており、本気でGAFA入りを目指しているようです。(ネットフリクス、リンクトイン及びDBSを加えてGANDALF(ガンダルフ)になるとのことです。。)
さいごに
当記事では、シンガポール最大のメガバンクであるDBS銀行のランキングを紹介しました。
米国の地銀危機が顕在化する中、自分の大事な資金を預け、また事業経営のお財布として、どの銀行を利用するかは大事な選択です。
自らの利用する銀行について、ある程度はその経営状況を理解しておくことが重要です。