国際物流会社の大手DHLが2020年度版国際連結指数「Global Connectedness Index」を公表しました。
前年に引き続き、シンガポールは世界で第2位という結果。世界で最もグローバル化が進んだ国のひとつということが示されたことになります。
国際連結指数とは
国際連結指数とは、DHLとニューヨークのスターン大学ビジネススクールと共同でまとめた、各国・地域の国際化度を測るための指標です。
今回は、169カ国、地域を対象とし、貿易、資本、情報、ヒトの流れを数値化しています。
指標は1〜100のスコアで評価されます。
トップはオランダで91ポイント、シンガポールは89ポイントで2ポイントの僅差。昨年度の5ポイント差から詰め寄る結果となりました。
トップ20は以下のとおりです。
国際連結指数報告書のサマリー
レポートのエグゼクティブ・サマリーには、次の10項目がピックアップされています。
2.コロナの影響により、ヒトの交流は前例のない落ち込みであった。国際的な視野でみると、1990年の水準まで落ち込んでいる。
3.国際貿易は、パンデミックの直後から急速に回復した。
4.資本投資もコロナの影響で厳しい状況にあったが、状況は回復してきている。各国政府及び中央銀行の政策がマーケットの安定に貢献している。
5.情報の流れに関しては、コロナ前は停滞の兆しがあったものの、コロナの影響で強制的にデジタル化が進行した。
6.オランダが最も「国際的に連結した」国という結果となった。シンガポールが2位であり、特に「国内の活動と比較した国際取引のサイズ」においてトップであった。
7.最も国際化された地域としてはヨーロッパがトップとなった。最も「国際的に連結」した国トップ10のうち、8カ国がヨーロッパから選出された。貿易とヒトの流動性に関してヨーロッパがトップとなり、情報や資本の流動性に関しては、北アメリカがトップとなった。
8. 国の規模に比した国際取引の量で健闘している国は、カンボジア、シンガポール、ベトナム、マレーシア、オランダである。地域のサプライチェーンが、東南アジアにおけるパフォーマンスの重要な要素である。
9.地域政治の緊張が、グローバリゼーションの重大な驚異となっている。現状では、世界経済が分断されているという強い証拠はない。ただし、米国と中国の分離は続いている。
10. 強力な「国際連結」は、コロナからの世界経済の回復を促進させる。国際取引によりつながっている国は、より早い経済成長を享受するからである。
ちなみに、日本は44位。アメリカが37位、中国が70位と、経済大国が必ずしも良いスコアとなるわけではありません。
やはり国家戦略として「世界のハブ」を目指している国が高ランクとなるようです。
2020年度はコロナの影響でグローバル化に急速にブレーキがかかりましたが、来年は順調にグローバリゼーションが回復することを期待したいです。