シンガポールにおいて今後のフィンテック活用
シンガポールにおけるコンサルタントの73%が、今後12ヶ月で少なくとも1つのフィンテック製品を利用すると見込んでいることが判明。
2,020年7月23日に実施されたこの調査は、オーストラリ公認会計士協会(CPA Australia)のシンガポール会員100人から回答を得たもの。
回答者の業界は多様であるものの、コンサルティング(13.6%)、金融サービス(12.7%)、監査法人(12.7%)などが上位となっています。
フィンテック種類別では、モバイル決済、デジタル財布の利用が42.7%と最も見込まれています(42.7%)。
60%の回答者は業務の効率性向上への必要性がフィンテックの採用にとって重要であると回答する一方、40%の回答者はフィンテックを利用することで、カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)の理解と改善に役に立つだろうと見込んでいます。
3分の1の回答者は、コロナウィルスの流行による不況に打ち勝つためには、フィンテックを利用した新しい業務のやりかたが必要であると考えています。
一方で、フィンテック利用の障害となるリスクは、サイバーセキュリティがトップ(33.6%)、ついで経営上層部のフィンテックへの理解不足(30%)が続きます。
この点について、CPAオーストラリアのシンガポール地区代表であるChng Lay Chewは
「上級経営層と取締役会は、サイバーセキュリティの戦略に関する知識とリスクへの防衛策となるシステムや人材への投資が必要である」
と説明します。
「新しい技術に対する政府の補助及び有利な規制環境により、シンガポールを世界一のフィンテックハブへと押し上げる。さらには、フィンテック利用の拡大に重要な影響を及ぼすだろう。」
フィンテックスタートアップの留意点
同調査報告書では、フィンテックのスタートアップが考慮すべき6つのポイントについても例示しています。
・潜在的なクライアントの効率性を改善するか
・コスト削減するか
・顧客とのビジネス理解に資するか、また顧客体験を改善するか
・フィンテックは事業の遂行をアシスト、サポートし、技術を高めるか
・顧客とビジネスのデータを保護するか
・サイバーセキュリティに関してビジネスを保護するか
さいごに
様々なクライアントのデータにアクセスしやすい会計士協会のアンケートレポートということで興味深いのではないでしょうか。近い将来フィンテックが様々な形で適用されるのはまちがいなく、あとはそのタイミングとスピードということになるかと思います。
スタートアップ向けの考慮事項については基礎的なことではありますが、この基礎をうまく抑えたフィンテックが今後伸びていくことになるのでしょう。
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